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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第25章 雨の中へ





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「なんでこんなことに……」

深いため息がもれる。

そんな私とは対照的に、となりではギルが意気揚々と歩いていた。

結局根負けして、外出することとなってしまった。

ギルの言葉を思い出す。

『アルがフォート氏を知らなかったこと、
お前がアッペルフェルドの猫を知らなかったこと、
どうしてだか知りたいだろ?』

……そりゃ気になるし、理由が判明したら私にも、ギルたちにも、大きな解決の鍵となるかもしれない。

しかしそれが、図書館へ行くことでわかるのかは、甚だ疑問だ。

っていうかアッペルフェルドの猫じゃなくてシュレディンガーの猫なのでは……と再三の疑問が湧いたところで

「はぁ……」

もう一度ため息をしつつ、ギルを見やる。

彼は男物の灰色のパーカーを着て、フードをかぶっていた。

パーカーは父のたんすから引っ張り出したものだ。

フードならば銀髪は隠れるし、せめてもの隠蔽ということで、なかば無理矢理着せたものだった。

下はジーンズで、一見したところ普通の一般人に見える。

……鋭く赤い目つきと、ここ日本では圧倒的に浮く顔立ちと、プラチナブロンドをのぞけば。
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