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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第24章 下位互換カソード


「おっ、おい! なに泣いてんだよ!」

「え……」

言われて頬に手をやる。

暖かいしずくが一筋伝っていた。

それは後から後からこぼれ、ますますギルをあたふたさせる。

「ちょ、ちょっと待て、どうしたんだよ、腹でも痛いのか!? 落ち着け!」

落ち着くのはお前だと言いたかったが、

「……だって、殴られ……かと思っ――」

出てきたのは、そんな嗚咽だった。

ギルが数瞬停止したあと、はたと気付く。

いや、その、すまねぇ、などと口々にまくし立てている。

その慌てっぷりがルートとそっくりで、だんだんと笑えてきてしまった。

涙を浮かべながら笑うという愉快な状態の私に、バツが悪そうに

「……俺だって泣きてーよ」

とギルがこぼす。

その拗ねたような言い方に、笑いのタガが外れたのか、いよいよ笑いが止まらなくなってしまった。
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