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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第24章 下位互換カソード


ひとしきり笑ったあと、思い出したように私は機械を手にとった。

私の耳元で、ギルが殴って壊したものだ(なんちゅうことを)。

材質は金属とプラスチックが主だ。

よく見ると赤い導線や、ドラマでよく見るICチップのようなものもある。

全体が砕かれていて、もう修復不可能な域だった。

「これは……?」

「発信器か、盗聴器か」

「えぇっ!?」

は、発信器だって!?

驚きに口があんぐりする。

たしかに、言われてみると、形にも大きさにも発信器の面影がある。

誰が、またどうして、と唖然としていると、

「いや――その両方かもしんねぇ」

しげしげと眺めながらギルが言った。

「両方!? 盗聴機能付き発信器ってこと!?」

「まぁGPSの類だ。それだけでも最悪だが、もっと最悪なのは、ただのGPSじゃなくて“GLONASS”だってことだ」

「GLONASS?」

「……GPSのロシア版だ」

「…………はい?」

サァーッと音でも流れてしまいそうなくらい、背筋が冷えて後頭部までぞわりとした。

いつ付けられたのかわからないが、「またあとで」って。
、、、、、、
そういうことだったの? え? どういうことなの?

「GPSはアメリカの衛星をつかって位置特定をしている。それに元々は軍用に開発されたんだ。
ロシアがアメリカに頼ると思うか? 当然自分らでやろうとするだろ。
壊しちまったから確証はねぇが……このチップや内部の配置、GLONASSだと思うぜ」

私がポケーとしている間、ペラペラとギルが喋っていたが、半分も耳に入っていない気がする。

ろっさまが(限りなく邪悪な)なにかを考えて、私に発信器をつけたことだけ理解できた。
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