• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第24章 下位互換カソード


「……公子」

まるで長い夢からさめたような顔だった。

驚きに目をしばたいている。

久しぶりに会ったような、いや、ずっと探していたなくしものを、思わぬところから見つけたような。

そんな表情をしていた。

「本当に……公子なんだな……」

泣きだしそうな視線で、噛みしめるように私の名前を呼ぶ。

途中までこちらに伸ばされた手が、ぴたりと静止した。

なにかを躊躇し、そして諦めたように。

静かに手が床に落ちていく。

眉間のシワがとれて、ハの字に歪んだ眉がやわらかい、泣き笑いじみた表情をつくった。

ドキリとするほどその目は優しい。

やがてそこに確固たる決意が宿り、曇りない双眸が私をまっすぐに見つめる。

その瞳が、ふと見開いた。
/ 378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp