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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第3章 月夜にて





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「……くっくっく」

本田家の庭に、不気味な笑い声が響いた。

満月の煌めきを受け、その影が揺れる。

アーサー・カークランド。

それが、この不法侵入者の名前である。

「……くっくっく」

もう一度、彼は不気味な笑い声を響かせた。

その姿はまさに、いたずらを発動しようとする子どもだ。



アーサーが普通に玄関から訪問しないのには、ふたつ理由がある。

ひとつ、アルフレッドである。

用事を済ますだけ済まし、余りにあっさりと帰っていった(約45秒)のが、アーサーには非常に気に入らなかった。

ふたつ、フランシスである。

例のごとく喧嘩腰で話しかけたが、『ごめん今忙しいから』の僅かたったの12文字であしらわれてしまったのだ。

これもまた、アーサーには非常に気に入らなかった。

「ったく、揃いも揃ってよぉ……」

フランシスは、まぁわかる。

最近の仕事量は、さすがに同情を覚えるレベルだ。

しかし一方、アルフレッドである。

彼は最近、なにやらマシューとコソコソと動いている。

そのせいか付き合いが悪い。

一体なにを企んでいるのか。

無論、アーサーはなにも聞かされていなかった。
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