• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第3章 月夜にて


「もう今日は終わりでいいんじゃねーあるか?」

「いえ、もう少し粘ります」

「自分で言っといてアレあるが、疑いを持ち始めたあるよ……」

自信なさげに呟き、耀はしょぼんと眉を下げた。

間違っていたら、ただの徒労に終わる。

それを怖れているのだ。

菊にも確信があるわけではなかった。

けれど、忘れたわけでもなかった。

『消失点の電磁波を計測したら、おかしなことが起きてたある!』

嬉しそうな耀から聞かされたとき。

なにかがピタリとはまったような。

パズルのピースが手には入ったような。

あの感覚を、菊はまだ信じていたかった。

「自信を持って下さい、必ず意味があるはずです。私はまだ諦めません」

「そうあるか。……仕方ねーが、我ももう少し付き合うあるよ」

「ありがとうございます」

菊は微苦笑しつつ、書類に注意を戻した。





「……夜食作ってくるある」

と、ふらふら耀が台所に行ったのは、それからしばらくあとのことだった。

耀がいない間、菊は公子の様子を見に行くことにした。
/ 465ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp