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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第3章 月夜にて


「……それにしても、この書類。片づきませんね……」

「もう疲れたある……」

二人のため息が重なった。

菊の手もとの紙は、数字でびっしりと埋め尽くされている。

しかももうすぐ、英国から更なる書類の束が現れるだろう。

目の疲労も相まって、菊はうんざりとこめかみをおさえた。

「“消失点”と“電磁波”の関係性、か……」

菊が紙に視線を戻すと、向こうの部屋から歓声が聞こえてきた。



「よしっ! 香がバツゲームなんだぜ!」

「うるさいよ……本当にうるさい」

「さーてなにをさせてあげようかネー」

「――もう一生お前らと大富豪はやらないと誓った的な」



「……あいつら、なんのために集まったのかわかってねーあるよ」

「まあまあ」

菊は無難な返事をしながら、なおも、年寄りを働かせていい度胸してるある、と頬を膨らます耀をなだめた。
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