第23章 消失のための再帰点より
……あれ? けどそれじゃ、どうしてこの三人は一緒にいるんだろうか。
今のギルの話だと、三人ともグループが違うはず(少なくともギルは亜細亜+枢軸)。
そんな私の疑問に気づいたのか、ギルがにんまりと口角をあげた。
「でもなぁ、この二人がどぉおーっしても俺様と協力――」
「グループとかで縛られたくないのよ。やりたいようにやれないんだよね~」
「そのかわり重大なこと教えてもらえんくなったけど、こっちかて言いたくないこと言わずに済むし。
それに、この三人ならなんやおもしろいこと起きそうやからな!」
のんきとも言えるほどに陽気に、アントーニョが笑顔を輝かせた。
フランシスも悪戯っぽい微笑を浮かべている。
「この三人の集まりも、昼飯食うみたいなノリだからカタいもんじゃねぇし」
そう付け足したギルは、はしゃいだガキ大将みたいな笑みに口の端をあげた。
……全く、この三人は。
ため息をつきたい気持ちだったのに、つられて頬が緩んでしまう。
彼ららしいやり方に笑みがこぼれた。