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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第23章 消失のための再帰点より


「別に派手に対立してるわけじゃねぇ。ただ怖がってるだけだ」

……怖がってる?

「自国の不利益にならないか、つまり――“異変”に、だ」

真面目な表情でギルが言う。

フランシスも腕を組み、思案げな表情で頷いた。

「一人で立ち向かうには余りにデカい問題だ。特別なことじゃない、利益も不利益も誰かと共有する方がいい。
共有なんて言葉はいいが、つまるところリスク分散。
だから近しい者で組み、周りを固め、少しでも他に先んじようとする」

ギルがまくし立てる。

「それに“敵”っつうモン作った方が団結は強くなる。ましてや、この異変の原因である“真の敵”がなんなのかわかんねぇ現状じゃな」

「アルフレッドとイヴァンのとこなんて冷戦一歩手前やで~」

「んなのあの二人だけでしょ!」

それは……バルトの三人が非常においたわしいな……。

フランシスのうんざりした様子から、彼もとばっちりを受けているとみえる。

「それにな、俺が思うにあいつら皆なんらかの――“秘密”を隠し持ってる」

真剣そのものの、どこか確信めいた響きがある声でギルは言う。

神妙な面もちは、なにかに考えを巡らせていた。

ありそうではあるが、“秘密”と漠然としていて私は思わず尋ねる。

「秘密といいますと?」

「それがわかんねーから秘密なんだろ!」

怒られてしまった。
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