第23章 消失のための再帰点より
「ここどこかわかるん?」
「不本意にもね。最近お邪魔したばかりだから」
フランシスは肩をすくめ、いかにも嫌そうにする。
キョトンとするアントーニョ。
ギルも顔に「?」を浮かべていた。
私もわからないでいると、ドアがひらかれ外の空気が部屋になだれこんでくる。
と同時に、
「わっ……!」
本棚が高くそびえ林立する教会、のような室内が眼下に現れた。
テンプレのように西洋的で、とんでもなく豪奢だ。
そればかりか、なんとなしに既視感がある。
某ポッターの通う学校の図書館……というか……
随分妙なところに来ちゃったのねぇ、とフランシスがため息をついた。
「ここはね――」
なんだか嫌な予感がし始めた私たちに、フランシスは苦笑混じりにニヤリとする。
「大英図書館サマさ」