第21章 乖離する声を
バッターンッ!!
「見つけたぞぉっ!」
「ぎゃあああああああああああああああああああっ!!」
3連続の大音響、蹴破られる扉、絶叫するフェリちゃん。
そして、
「……に……兄さん?」
「…………ヴェスト?」
全く同じように目を点にして、口を半開きに向き合うルートとギル。
お互いあまりに予想外の対面だったのか。
言葉も思考も失ってしまっている。
まだルートの背中に隠れているフェリちゃんの嗚咽を除いて、不気味というか、なにかが欠落したような沈黙が漂う。
その沈黙を破ったのは、
「きゃっ!?」
「公子ちゃんもろてくでっ!」
私の声と、語尾に星が飛び交う親分(いつからいたの!?)の声だ。
あろうことかお姫様抱っこされていて、ドアに向かっている。
ノートパソコンを持ったフランシスも、扉の外から顔をのぞかせていた。
何が起きているのかさっぱりわからない。