第20章 追跡先へ
「イヴァンと耀出てったけど、あのあと姿見た?」
ギルの思考を遮って、フランシスが言う。
「いーや。俺はすぐにここに来たからな」
「見てへんわ。アルフレッドが菊と眉毛追っかけてたのと、いつも通りすぎる北欧組と、ブレーカー見てくるって消えたバルトしか見てへん」
「そりゃあちょっと大混乱だねぇ」
愉快そうにフランシスは笑うが、ギルにはちっとも笑えない。
「あのなー――」
言いかけたギルの背後で、ピーッと電子音が鳴り響いた。
顔だけ振り向いたギルの、体が固まる。
ルビーの瞳は驚愕に見開き、画面を凝視していた。
突然の奇妙な様子に訝しんだフランシスが声をかけようとすると、ギルははじかれたようにパソコンに向き直った。
「……どうかした?」
ギルは答えない。
しがみつかんばかりにディスプレイに見入るばかりだ。
その顔に一瞬影がさし、そしてすぐに消える。
そして喉の奥で低く笑って、
「捕まえたんだよ」
そう言った。
「ちょっホント!? 発信元わかったの!?」
「あぁ、やつは――」
ギルは振り返って二人に向き直り、犬歯を見せて笑う。
こ こ
「やつは、会議場にいる!」