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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第20章 追跡先へ


「ずっと奴が使ってるPCの発信元を探してたんだよ。けどさっぱり捕まんねぇんだ」

「全世界規模で血眼になって探してんのに見つからない奴が、ギルちゃんひとりに見つけられたら世話ないで」

「香やヨンスと協力してたんじゃ?」

フランシスが尋ねると、ギルは椅子を回してパソコンに背を向ける。

二人の視線の中、ギルは神妙な面もちで頷いた。

「それがよ、パタンと連絡が途絶えたんだ。こっちからの電話に出もしねぇし、今日の会議も二人揃って欠席だし、菊や耀に聞いてもあいつら黙りやがるし」

仲間外れを食らったような、不満気なギルの声色。

フランシスも思い出すように視線だけを左にやる。

「そう言われると、湾ちゃん青い顔してたような……」

「ていうか亜細亜組の雰囲気暗かった気がするで。なんや不気味やった」

「コイツが気づくって相当だよな」

ギルはひとり頷く。

香とヨンスになにかが起きた、それは容易に推測できることだった。

なのに、一応協力体制を敷いているというのに、菊や耀、湾がなにも言ってこないのが度しがたかった。

――情報の共有は基本中の基本だろ?
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