第19章 会議は笑わない
「ひぃっ!?」
突如ガシッと、いやガシィッ! と肩を掴まれる。
なに!? なんかめっちゃ怒ってる!?
わなわな震えていると、ルートの口がひらいた。
「量子テレポーテーションの話だがあれから色々と調べた。テーブルにないからシュガーポットはジョーンズが持っている、もつれと波動関数の崩壊を例示したこれで気づいたんだな、しかしミクロな世界の法則をマクロな巨視的世界に適用できるのか疑問であるし、それにルビジウム原子がせいぜいなところなのに人間を純粋な量子状態になんて――」
「ルートさん」
「……なんだ」
「じゃがいもが食べたいです」
「わかった」
「ええええっ!?」
フェリちゃんがツッコみに声をあげる。
無理もない。
しかしルートの落ち着かせ方なんて、“じゃがいも”しか思いつかなかったから仕方ないね。
「ふたりの話が超次元的すぎてついていけないよ……」
「大丈夫です私もさっぱりわかりません」
「おい!」
今度はルートがツッコミに声をあげた。
だってどう考えても日本語でOK状態だったじゃないですか?
などと思っていると、扉が乱暴に開いて誰かが入ってくる。