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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第19章 会議は笑わない


廊下まで真っ暗だ。建物全体が停電なのか?

しかし私を抱えた人物は、迷いない足取りで走っている。

支える腕が、前回と違ってどこかひょろっとしていた。うーん誰だかさっぱりわからない。

ドアを開く音がして、どこかの部屋に入ったのがわかった。

そこでパッと明かりがつく。

机、棚、椅子など最低限のものしかない殺風景な小部屋――で椅子に座っているルートがまず目に入った。

続いて私を抱えた、ガスマスクとゴーグルの中間みたいなマスクで顔を覆った――って誰!?

「誰っ!? ホントに誰!?」

「ごめんごめん~」

いかついマスクマンは、似つかわしくない軽い口調とともに、私をそっと椅子におろす。

それからマスクを脱ぎ捨てると、

「……え」

ひなたぼっこ中のような笑みを浮かべた、フェリちゃんが顔をだした。

「びっくりさせちゃってごめんね。どっか怪我してたりしない?」

「いえ、なんとも……いや、てか、まさかそれ……暗視スコープ!?」

「停電中だから必要でさ~ルートに貸してもらったんだ! かっこいいよね~!」

「あ……はい……」

私が全てのツッコミを放棄していると、ルートが近づいてきた。

小難しそうな本を片手に、真剣な表情をしている。

眼鏡とうっすらにじむクマが、よりそれを色濃くしていた。

一体なにから詰問されるんだろうか――
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