• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第19章 会議は笑わない


「っ!?」

突如として視界が暗転する。

視界いっぱいになだれこむ闇。

これは――停電!?

「み゙ゅっ!!」

口元が押さえつけられる。

声を上げようとした私を、黙らせるように。

急に背筋がぞわりと震えた。

こんな真っ暗闇で誰が何するつもり――!?

と思うと口元から手がはなされ、「しーっ」と沈黙を要求される。

予想外のことに若干面食らいながらも、“沈黙は金”の祖先の教えに従い、私は一切の声を封じた。

すると、ひょいと体が抱え上げられ移動し――ってお姫様だっこでどこいくつもりこの人!?

「ふざけんな真っ暗だぞコノヤロー!?」

「親分がそばにいるから怖がらんでえぇよロヴィー!」

それが一番危ないと思う。

「停電かい!?」

「うわぁっ、ちょっと足踏まないでよアル!」

「アルの近くにいたら危ないから離れなさいマシュー」

「ってクソ鬚こそどこ掴んでんだよ!」



「てめぇっ、暗闇に乗じて喧嘩ふっかけるたぁいい度胸じゃねぇか!」

「それ……猫……あとうるさい……」



「アイスー怖かったらお兄ちゃんに抱きついてもいいべ」

「意味わかんない」

激しくカオスな会場をあとに、私は廊下に出た。
/ 378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp