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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第19章 会議は笑わない


「いったー……!」

「だっ大丈夫ですか!?」

すぐ隣のアルが、バランスを崩して椅子から床にたたき落とされていた。

なぜか右手だけが机に乗っていて、残りは床に伏している。

そんな、何をどうしたらその体勢になるのか、小一時間問い詰めたい体勢になっていた。

「んー、今一瞬寝てたみたいだ」

「ね、寝てたあ!?」

さすが歪みないAKY。

冷えすぎて歯がガチガチいいそうな空気を、一瞬で南国リゾート気分にしてしまった。

「もう! きみのアホみたいなタフさは誰よりわかってるつもりだけど、さすがに連日の無理が体に差し障ってきたんだろ?」

突如なにもないところから声が聞こえてくる。

驚いて見回すと、うっすーい人影が見えた。

目を細めて注意深く視線を注ぐと、

「えっ……ええええええええマシュー!? いつからそこに!?」

クマのぬいぐるみを抱えた、マシューその人がいた。

「公子さんの隣の隣にずっといたよ~」

おおらかだ……

ふんわり微笑む姿は、思い描いていたマシューそのものだった。いやそれ以上か。いやもはや筆舌に尽くしがたい。

「あれ、なんで名前知ってるんだろう?」と不思議そうに小首を傾げている姿マジ天使。

「アホみたいってなんだい!? ヒーローみたいと言ってくれよ!」

「意味がわからないよ! もうっ、そろそろ休憩しよう? 1時のランチタイム2時間半もすぎてるよ」

「んーそうだな、欠席もちらほらあるし、一端休憩しようか!」

その宣言に、会場がひといきつくのがわかった。

マシューが「もう大丈夫だよ」と私に微笑みかけてくる。

うーんなかなかの策士。そしてかわいい。
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