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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第19章 会議は笑わない


ハッと見ると、下を向いたまま耀が席を立ち上がっていた。

「……イヴァン、ちょっと顔かせある」

「なにかな?」

耀はイヴァンを一瞥すると、身を翻して扉に向かっていった。

外で話すということらしい。

イヴァンはやれやれというように立ち上がり、ならって歩きだした。

そして扉の手間で、首だけをこちらに曲げ、

「なんか呼ばれちゃったからあとで聞かせてね、公子ちゃん」

そう言って、不気味なほどほがらかに微笑んだ。

無表情な背中が扉のむこうに消える。

「……」

扉のしまる音が、やけに響いた。

一同は静まり返ったまま、蝋人形のように固まっている。

頭の中で“あとで聞かせてね”という言葉がぐるぐる回りだす。

――それは、つまり、

――逃げるなよ、ってこと?





ガッターン!

「ひいぃぃっ!?」

静けさを破ったのは、今度は派手な衝撃音だった。
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