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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第19章 会議は笑わない


「以上の説明で問題ありませんね?」

「は、はい! ……あ、やっぱりちょっと待って下さい!」

慌てて訂正すると、菊はやや驚いて小首をかしげた。

「ゴーストタウンっぽい変なとこ経由したんですよ」と言う、本来の目的を思い出したのだ。

「実はアーサーさんたちとテレポ――」

「あああああそうだ公子! そういや公子アレだったよな公子!!」

「ひいいいいっ!?」

私の声を大声でさえぎりながら、アーサーが猛然とこちらに疾走してくる。

(ちなみにいろいろ察した菊のフォローにより、縄はとかれている)

尋常ではない形相にびびっていると、両手で肩を押され数歩後ずさる。

私を含めた会議場の全員が呆気にとられている中、

「テレポートのことはまだ言うな」

私だけに聞こえる声で、そう囁いた。

真剣そのものの、有無を言わせぬ瞳に戸惑う。

しかしちょうど皆に背を向けて私の肩に手を置いている、というまたしても誤解されかねない体勢だ。

案の定アルがやってきて、

「なんなんだい?」

と、私とアーサーの間に入る。

空気から分の悪さを感じ取ったのか、アーサーは肩から手を離し身を翻した。

……本当に、なんなんだい。

耀に菊にアーサー、揃って情報を隠したがっていた。

地下研究所での耀の曖昧な笑みもそうだ。

「アーサーになに言われたんだい? それになにを話そうとしたのか――」

……考えてるひまはない、か。
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