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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第18章 制約には切手を


しかし、アーサーは依然として哀れな状況である。

しかも私が招いた誤解のせいなので、ますます申し訳なくなる。

私はアルに懇願した。

「とにかく縄を外してあげて下さい! 洗いざらい話しますから!!」

「公子……!」

感動しそうなアーサー。

そしてフランシスこそ拘束されるべき、となおも騒いでいる。

しかしアルは対照的に、「まったく……」というように目を細めて、やっていられない表情をした。

それから私に向かって、

「ほっときなよ、どうせフランシスも隣に来る(変態の容疑で椅子拘束の刑を受ける)だろうし、騒がしい二人はまとめておく方がいい」

「……それはちょっとおもしろいかも」

「公子てめぇこらああああああ!!」

二人揃って隣になって縛られるとか、そんなおもしろすぎる光景を見てみたい。そして親分とギルと盛大に笑い転げたい。

さっきの感動を返せとばかりにアーサーに怒鳴られた。

「ともかくいいか!? 絶対公子を遅刻クソ髭に近づけるな!!」

わーわー菊やアントーニョと言い合っていたアーサーが、その場に向かって決死の形相で言う。

大げさな。っていうかそれフラグ――



「ちょっと口説かれてて遅刻しちゃった~って」

「あ」

キラーンと効果音を鳴らして、兄ちゃんもといフランシスが無駄に華やかに登場した。
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