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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第18章 制約には切手を


「うっ……ご心配をおかけしま――」

「しっ心配なんかしてねぇよ!!」

相変わらずの反応にクスッとすると、アーサーは余計に憤慨した。

それをいさめていると、

「それより、体はなんともないのか?」

「え?」

そんなことを聞かれる。

私は、トリップした直後に2回とも(いや3回か)体調を崩したことを、アーサーに話したのを思い出した。

自分がこんな状態なのに、私を心配してくれている……?

「……だ、大丈夫ですよっ!」

「そうか、ならいい」

私の返答に、アーサーは穏やかに笑む。

その姿に、私はぎゅっと胸をおさえた。

「私……私、誤解していたのかもしれません。アーサーさんは、やっぱり素敵な紳士だったんで――」

「はいはいエセ紳士、芝居はそこまでや」

言葉を遮られ、うしろから手を引かれる。

見上げると、にこやかに笑う親分がそこにいた。

ふわ~っとした猫っ毛、宝石のような緑の瞳には、親しげで柔らかな明かりが灯っている。

それになんというか……おひさまのにおいがする……!

「お嬢ちゃんそんなかわえーかっこでこの変態に近寄ったらアカンで」

「ってさりげなく腰に手回してんのはどこのトマト野郎だよ!!」

「早よお嬢ちゃんになにしたか、あと知ってること全部吐きやクソ眉毛。なんや知ってそうな亜細亜のメンツはだんまりやし、ギルはのらりくらりやし」

早口でまくし立てる親分からは、苛立ちがにじみ出ている。

もしかして、誰も“私”について説明していないんだろうか?
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