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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第18章 制約には切手を





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ん…………んん?」

体が、というか服のやけにもさもさしたかんじに、目がさめる。

周囲はがやがやと賑わっていた。

目をこすり、横たわっていたため体を起こすと、

「――っ!?」

頭に、とてつもなく柔らかいなにかが当たった。

「あら! もう起きたのね」

「なななななぜ膝枕を!?」

キョドる私に、ほがらかにエリザが微笑んだ。

柔らかいなにか云々は、無論少年誌にありがちなシチュエーションにおける例のアレである。

「カチューシャずれちゃってるわ」

エリザはそう言うと、私の頭の上に手を伸ばした。

私、カチューシャなんてしていただろうか?

いや、見るも無惨に清々しいパジャマだったはず。

唯一の救い、不幸中の幸いは抱えていた枕がただの枕だったことだ。

もし、もちめりかとかもちどいつとかのぬいぐるみだったら、状況のカオスさに拍車がかかっていた。

そう思いながら自分の服装に目を落とすと、

「え……ええええええええええええええええええええ!?」

驚愕のあまり、叫んでしまった。

そのせいで集まった視線に刺されながら、急激に体の温度が上がっていく。

――私は、メイド服を着せられていた。

「なぜ!? もう少しまともな着替えはなかったんですか!? パジャマより悪化してる気がするんですけど!!」

「とってもかわいいわ!」

「そういう問題じゃないいいいいいいいいいいいいいいい!!」

天を仰ぎ頭を抱える。

黒と白が基調とされ、過剰ではないフリルとレースがあしらわれた、とても可憐かつ清純っぽいメイド服だ。

見る分にはいい、だが着るとなると話は別だ! そうだろう!?

しかし、ウフフと笑う姉さんを見て、なに言ってもこらダメだとわかってしまった。

これなんて公開処刑状態に、果てしなく泣きたくなる。

互いに「GJ」とキリッとして頷き合う菊とエリザ。そうかそういうことかこのやろう。
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