第18章 制約には切手を
「……アーサー、きみ、あっ、あああんな姿の公子にどんな責任をとるっていうんだいッッッ!?」
あーダメだダメダメボケが来ちゃったよなんでそこかなーなんで一番ツッコミから3億光年ほど遠いアルなのかなー空気読んでよ頼むからー
「いっいや、その、俺は――」
なぜキッパリ否定しないんだ否定しろよ否定して下さいお願いします。
「……アーサーさん、ご説明願えますか?」
それが火に油を注いだのか、氷点下の菊の声。
「なんや知らんけど、あの女の子になんかしたんか?」
日頃の鬱憤も相まってか、輪をかけて黒い親分の表情。
なんか本格的な武器の金属音が聞こえた気がするが、気のせいだ気のせいにちがいない。
「ちょっ!? なに持ってんだってなんだその縄――」
デジャヴな断末魔を耳にしながら、私は安らかな、笑うしかない種類の笑顔を浮かべる。
うーん、とりあえず、きえてなくなりたいかな。
私は、静かに意識を手放した。