第18章 制約には切手を
いや、もっと具体的に言おう。
私は、そうそうたるメンバーが出席している、まさに会議中の会議場に、パジャマ姿で小脇に枕を抱えて突っ立っていたのだ。
私がキャパオーバーで固まっていると同様、一同もピタッと動きをとめていた。
アーサーに笑顔で掴みかかろうとする親分、を指さし笑っているギル、の後ろで黒い障気を発しているろっさま、の背後でさらに禍々しい輝きを放っているベラ嬢。
寝ているヘラ、心ここにあらずと遠い目なバルト三国、なぜかスーとノルにデンが殴られそうになっている北欧、菊といえばマイペースに手元の書類に目を落としていた。
そして私の隣ではアルフレッドが、
――つまり私は一番注目を集める、お誕生日席的なポジションに突っ立っていた――
またムチャなことを言っていそうに、「I am No.1」の勢いで高々と人差し指を掲げている。
そんな彼らの表情がかたまり、一斉に私を凝視していた。ガン見ここに極まれり。
こんな状況でなければ即座に爆笑していた、皆なんとも面白い体勢になっていた。
――この格好でこの場所に突然現れた、という状況でなければ。
会議場は、痛いくらいの静寂に包まれていた。
時間がとまったように感じた。むしろとまって欲しかった。