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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第18章 制約には切手を


悶々としているとさらに眠りから遠ざかる。

「あーもうやめやめ! 次行って帰されたときものすごい時間が経ってて、すっぽかし浦島太郎状態なんてやだし! っていうか私がいなくたっていろいろわかるだろうし……」

語尾をすぼませながら、そのことが私の不安を煽る。

量子テレポーテーション。

それは、A地点→B地点への物体Xのテレポーテートではない。

あれは、単にB地点で完璧なコピーを作るものだ。

A地点でXの情報をスキャンし、B地点で再実体化させる。

言うなれば、テキストデータを送り、受け取る側で用紙として出すFAXのようなものだ。

ただし、現時点で一番現実的なこの量子テレポーテーションには、ある“致命的な欠陥”がある。

「……――」

アーサーは、そしてあのときの私たちは。

頭を振って、胃を締めつける考えを放り出す。

大体いくら量子テレポーテーションつったってムリだ。SFか。猫型ロボットじゃあるまいし。

あの誰もいないところも説明つかないし、そもそも量子テレポーテーションと決まったわけでもない。

私は布団をかぶり直す。

次第に私の意識は薄れていった。
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