第18章 制約には切手を
「……し、死ぬ……!」
ドーンと音を立てて、ベッドに突っ伏す。
現時刻23時38分。
帰宅後さまざまの用事をこなしていたら、こんな時間になってしまった。
お風呂もすませたし、このまま目を閉じてしまおうと決める。
しかし、いろいろな気がかりごとが頭をぐるぐる回っているせいか、なかなか寝つけない。
私はあれからのことを思い浮かべた。
、、、、、
戻ってきたとき、窓から朝陽が差しこんでいた。
時刻は家を出る少し前、高速で用意をしなければ遅刻してしまう時刻。
つまり、朝だったのだ。
向こうにいるときは、こちらの時は止まっている――それは間違いだった。
時間は進んでいたのだ。
――このことからわかるように、私はほぼ2日間弱の身体的、精神的に非常にハードな(逃げたり走ったりスコーンだったり隠れたり落ちたり走ったり)オールをしたも同然である。つまりめちゃくちゃ疲れている。――
なぜ1回目と違うのか、それはいくら考えてもわからない。
わからないことはまだある。
――なぜアルは、チャールズ・ホイ・フォートを知らなかったのか?
あのあと少し調べたが、雑誌を刊行したり、フォーティアン協会なるものが作られたりと、その知名度は高いものだ。
すぐUFO、宇宙人と騒ぐアルが、知らないとは考えづらかった。
「しかも自国民じゃん」
疑問に答える声はない。
もう一度向こうに行って直接聞けば一番なのだが、私には行こうと思えなかった。
なぜなら“私”は、向こうでは異世界から来た異物だ。
つまりは、拒絶反応。
その“私”が勝手に帰されるのは、あの世界に拒絶されているからなのでは、と考えたからだ。