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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第17章 シュガーポットの在処は


「アーサーさん、恐れ入りますがおかわりを頂けますか?」

「おう! ――ってアル、シュガーポットどこやったんだよ」

「だから知らないって言ってるじゃないか~俺がなくしたって確証ないくせに、いちゃもんつけてくれんじゃないんだぞ!」

「てめぇ……! すまないな菊、すぐ探すからちょっと待ってくれ」

「いえお構いなく。私も探しますよ」

「……菊、お前本当にいいやつだよな」

「俺をチラチラ見ながら言わないでくれるかい!?」



一連の会話が、脳のすみでなにかに引っかかった。

もやもやして、思い出せない単語を思い出そうとする、あのときの気分になる。

記憶の糸を、思考回路の導線を、必死で手繰りよせる。

『見てもないくせに』

「……見てもないのに、片方がわかれば――」

ぽろりと転がりでた呟きに、ルートがハッとなって私を見た。

交わる視線に、脳神経がビリビリと放電する。

見開かれたルートの瞳には、私と同じ結論が映し出されていた。

私は、それを、

「――量子テレポーテーション!」



瞬間、視界がいつかのようにすり硝子越しになり――

「なっ!? 公子さ――」

菊の声を遠くに、私は光にのみこまれた。
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