第17章 シュガーポットの在処は
5人がびくっとして私を見る。
「今までの話をまとめましょう。まず、テレポーテーションの種類からです。
その1、高速移動によるテレポーテーション。
その2、時空を歪ませて起こすテレポーテーション。
その3、何らかの方法で距離をはしょって2地点間をワープするテレポーテーション、エトセトラ、などなど。
まぁ架空技術なので、定義も種類も曖昧模糊としてますが」
「その話はさっきしたじゃないか」
「あ、聞いてたんですか、そうだったんですか」
「……君、なんか怒ってるかい?」
おずおずとしたアルの問いに、無言で満面の笑みを返す。
私は話を続けた。
「その1、この可能性はまずないと考えます。それはなぜでしょう、はいアーサーさん」
「おっ俺!? えー、あぁそうだ、空気抵抗とか摩擦とかで」
「正解です。もし某忍者マンガのような高速移動をすると、空気摩擦により燃えて移動どころじゃありません。もしこの方法でアーサーさんがテレポーテーションしたら、アイデンティティの眉毛が燃えて跡形もなく失われてしまいます」
「なんだよその例! 大体眉毛だけじゃなくて全身燃えるだろ! つか、“大気圏に突入するスペースシャトル”とかの例でいいだろが!!」
「それに光速を越えてしまいます。アインシュタインさんが『何者も光速を超えられねぇんだよ! 俺の相対性理論シカトすんなゴルァ!』とキレます」
「シカトすんな!!」
キーキーするアーサーに、私の眉毛燃え上がる例にヒィヒィ爆笑しているアル。
菊とフェリちゃんも必死に笑いをこらえている。
ルートは、アインシュタインさんの口調になにか言いたげだった。
よし、皆の注意はこちらに向いている。
私は続けた。