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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第16章 尋問は庭先で





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ヨンス電話鳴って――」

「あーくっそー! なんなんだぜこれ!!」

香が部屋に入ってきたのと、ヨンスがベッドにダイブしたのは同じタイミングだった。

さきほどまで操作していたであろうパソコンのディスプレイには、青い画面に白英文字がところ狭しと羅列されている。

両手を伸ばしうつ伏せのヨンスの背中。

そこにねぎらいの気持ちをこめて、香はひょいと携帯を投げる。

「痛っ!?」

「湾からcall」

「ふつうに渡せなんだぜ……」

納得いかなげにヨンスが口をとがらせた。

素知らぬ顔で、机の上にあるヨンスの眼鏡をかけてみせる香。

酷使し続けていた目をこすり、ヨンスは電話にでた。

「もしもし」

「どう? パスワード解けそう?」

「もう意味わかんないんだぜ。完全ランダムっていうかなんていうか……まるで毎秒パスワードが変更されてる、みたいな意味不明さなんだぜ」

「パスワード探しは依然難航中、ってことネ」

「……」

ヨンスはきまずげに黙りこくった。

サラっと割り出してやるんだぜ! と豪語した手前、数時間の格闘もむなしいものとなっているのは居心地悪い。

パソコンの画面を覗きこむ香を横目に、言葉を探しあぐねていると、

「とりあえず、1時間後くらいにそっち寄るから」

「え?」

「疲れたでしょ? 差し入れしに行くヨ~ちょうど寄り道の経路だしネ」

「え? ちょ――」

こちらの返答も聞かずに、じゃあネー! と一方的に電話が切られた。
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