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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第16章 尋問は庭先で


「なんて言ってた?」

「1時間後くらいにこっち来――ってなにいじくってんだぜ!?」

「sorry、なんか押したかも的な」

「ええええええええええええええええ!?」

やってしまった顔をしている香を押しのけ、ヨンスはパソコンに駆け寄った。

すぐさまカタカタとタイピングし始める。

その険しかった顔が、キョトンとしたものになった。

彼の背から画面を覗きこみながら、香は恐る恐る尋ねてみる。

「なんかヤバイ?」

「いや……これは――」

言いながら、ヨンスの表情に困惑がさした。

タイピングが加速していく。

香にはさっぱり理解できない英数字が、雪崩のようにスクロールしていく。



やがて、ヨンスはその手を粛然とキーボードから離した。

「……? どうし――」

「イヴ、なのか?」

唐突な単語がヨンスの口をついた。

青いディスプレイを反射して、彼の瞳の中で不穏な光彩が揺れる。

その顔は、心なしか戦慄しているようにも見えた。

わけがわからない香は、まず話の人物の正体を尋ねることにした。

「イヴってwho?」

しかしそれにこたえず、ヨンスはくるりと向き直る。

「ちょっとヤバイかもしれないけど、パス見つかりそうなんだぜ」

「ヤバイってどうヤバイ?」

「んー……消される的な意味で?」

「……」

黙り込む二人の背後で、携帯の無機質な着信音が鳴り響いた。
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