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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第15章 廃マンションにて


彼がなぜここにいる?

困惑の中、クラッと目眩が再び脳を揺らした。

頭の中が液状化したみたいだ。
   、、、、、、、、
それに引っ張られているというか、

――戻されてる!?

「あ……くっ……!!」

ドン、と震動がおきた。

さながらそれは、定位置に戻されたような。

「よし、ついたぜ!」

「……これは……ふむ」

「ヴェ~すごいな、本当についちゃった!」

気づくと、私は薔薇の咲いた庭に立っていた。

目をしばたき、あたりを見回す。

アーサー、ルート、アルにフェリちゃん、それからいまだにのびている菊。

みんなが、何事無かったかのように、そこにいた。
   、、、、、、
まるで私一人だけが、おかしかったみたいに。

なにもわからなかったが、ひとつだけ確かなことがある。

アーサーの満足げな口振りから、直感した。

“ここから俺の家に行けるぜ”

「テレポー……テーション……?」

「今回はたまたま無事だったんだよ。次はどうなるかわかったもんじゃない」

私の呟きは、アルのため息まじりの声にかき消された。

それにアーサーがかみつく。

「安心しろ、てめぇなんかには二度と使わせねえから」

「~~ッッ! 君は、ほんっとに分からず屋だなあ!!」

堪えきれないというようにアルが怒鳴った。

あー始まっちゃうよ。
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