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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第15章 廃マンションにて





「おい!」

ぺちぺちと頬をたたかれる。

ハッと目を開くと、目の前に眉――アーサーがいた。

「おいお前今失礼なこと考えてなかったか」

「滅相もない」

……なんだ、夢か。

意味不明なそれを頭から追いやり、これまでのことを思い出す。

体調不良、フェリちゃんとアルの諍い……ここからは記憶がなかった。

思い出そうとする頭が少し重いが、体調はめっきりよくなっている。

「えーと……」

「ここは廃マンションの一室だ」

道理で、というような室内風景だった。

家具もなにもなく、割れた窓からの光が唯一のあかりだ。

しかも、壊される建造物特有の停滞した匂いがする。
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