第15章 廃マンションにて
暗い。
ひたすらに真っ暗だ。
ここはどこだろう?
バタンッ!
「ひぃっ!?」
突如として扉を開け放つ音が響いた。
目の前だ。
扉から差し込んできた光が、眩しく闇を切り裂いて――
そこに、光を背負ったアルフレッドが現れた。
うつむいた表情は、逆光も手伝って見えない。
ゴゴゴ……
なぜか地響きのような効果音が流れている。
なにコレどういう状況なの。
しかし、彼がかついでいる“人”に、血の気が引いた。
「青い……ケーキ……」
「本田さあああああんんんんん!?」
今にも召されそうな、ぐったりした菊の顔。
その顔はまさに言葉の通り、青い。
一体なにをされたの!?
やけに緩慢な足取りのアルが近づいてくる。
怖い。
これはシャレにならな――