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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第14章 高密度な静寂における解決策について


それに“眠っている”とは、どういう意味だ?

混乱する頭で、どうすべきか考える。

また追いかけっこになるのは勘弁だ。

かといって、アルフレッド突破も現実的ではない。

ならばきちんと事情を説明して、ひとまずの休息を公子に与えるべきなのでは――?

その結論に至ったルートヴィッヒが、意を決して声を上げようとすると、



「……め……さい……」



息も絶え絶えというような、声が聞こえた。

「……ごめんなさい……」

それは、彼女のものだった。

公子の口から、たしかにその言葉が流れだしていた。

長年の宿敵と対峙しているように向き合っていた、フェリシアーノとアルフレッドが、ぴたりと全ての動作を止める。

「……さい、ごめんなさい……」

発熱中のうわごとのように、それはくり返された。

意識があるのか、それとも無意識の寝言のようなものなのか。

わからないが、彼女は目をつむったまま、今にも泣き出しそうに顔を歪めている。

しばしの間、虚をつかれたように2人はボーっとしていた。
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