第14章 高密度な静寂における解決策について
そして、ふいに
「……ごめん、言い争ってる場合じゃなかった」
沈黙を破って、フェリシアーノが声を落として言った。
アルフレッドもハッと我に返ったのか、やや肩を下げて
「いや、俺こそすまない……君の言うとおり、お喋りをしてる暇はなさそうだ」
と素直に言い表した。
ルートヴィッヒはそのやりとりにも目をみはったが、
「ヴェ~、なるべく早く公子ちゃんを横にしてあげたいんだ、C棟開いてたよね?」
途端いつものように情けない顔をする彼に面食らう。
――こいつにはなにかスイッチでもあるのか?
「ならちょうどいい部屋があるんだぞ! そこに菊とアーサーもいるし」
「菊も? よかったぁ~!」
「それじゃ案内するよ」
「ほらルート、ぼーっとしてないで行こっ!」
「あ、……あぁ」
目が回るような急調子の中、4人はC棟に踏み入っていった。