第13章 at the later lunch time
危うく椅子から落ちそうになった私を、フェリちゃんが受けとめる。
「どうしたの!?」
「すみま……せん、きもちわる……くて……っ」
「早く言わなきゃダメだよ! ほら、マウス離して、ソファにでも――」
騒ぎを聞きつけた4人の足音が聞こえた。
続いて話し声、と思ったら誰かに抱きあげられ、ソファに寝かされる。
マウスに触れていた右手は、ただ痺れるだけの代物と化していた。
それから目の奥に釘を打ち込まれるような痛み。
すでに思考能力は、完全に失われつつあった。
「地下か、電子機器か、それとも先ほどの意識障害のせいか――」
「なんにせよ、ここじゃ原因解明も満足な処置もできねぇ。一度地上に戻るべきじゃねぇか?」
「俺もそう思う。公子ちゃんほんとにつらそうだもん……」
「やむを得ないな」
「そうと決まればさっさと行くある! エレベーターの用意はできてるあるよ」
「公子ちゃんの手荷物はまとめてあるヨ! 地上(うえ)の本田さんにも連絡を――」
「王と湾、二人はここに残ってくれ」
「「なっ!?」」
「本田に“至急”頼まれているデータ解析があるだろう。それに“今日”を忘れたのか? 主人の付き添いに大人数は必要ない」
「くっ……! 知道了(了解した)。こっちは任せとけある」
「#公子#ちゃんを手荒に扱ったら、これからここの冷蔵庫にビールを入れとくのを一切禁止するから覚悟しといてヨ!」
「うわああぁぁそれだけは! それだけはやめてくれぇ!!」
「……むしろそうすべきなのだがな……」