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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第13章 at the later lunch time


絶叫が響いたあと、体がひょいと浮き移動し始めた。

かすかに開いた目から見ると、部屋の端、他より明るくなっている場所へ向かっているようだった。

私を抱えている誰かの足音がやむ。

かわりに、カチカチとパネル入力をしている音と、ピピッという承認音が流れた。

そのくりかえしが4、5回続いたことで、 厳重な警備がうかがい知れる。

「それじゃ公子を頼んだある」

「連絡できるようになったら、公子ちゃんの声聞かせてネ」

「任せろ」

「そいつ預けたぜヴェスト!」

「なっ!? 兄さんどこ行くつも――」

「ルート早くっ、エレベーター閉まっちゃう!!」

警告音らしき電子音とフェリちゃんの声が重なる。

黄色いサイレンがミラーボールのように回っていた。

意識が刈り尽くされていく。

それを阻んだのは、右手に触れてきた温もりだった。

「大丈夫」

優しく、力強いフェリちゃんの声。

手のやわらかい感触とともに、全身に染み渡っていく。

――まだ、大丈夫、けど急にまた、私はどうして……

エレベーターが上昇していく。
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