第13章 at the later lunch time
なんの前触れもなく、けれどなにかに共鳴したように。
皮膚をぶち破ろうかというほどの鼓動がおきた。
反射的に胸をおさえる。
気づくと息が上がり、規則正しかったリズムが千々に乱されていた。
――だめ、読まなきゃ――
マウスを操る右手がピリピリと痺れる。
手の小指側から感覚が奪われていく。
左手で右手に触ろうとすると、
「――っあ」
もう一度、心臓が肋骨を叩き割らんばかりに脈動した。
今度は頭と眼球をねじられるような、目眩と吐き気のオプションつきだ。
「公子ちゃん……?」
左手で右手をがっしりつかみ、無言で動きを止めている。
そんな私を訝しんだのか、フェリちゃんの声が脳髄を鳴らした。
――読まなきゃ、せっかく頼ってくれたのに――
「公子ちゃん!?」