第13章 at the later lunch time
フェリちゃんをポカポカしていた耀が、やれやれとため息をついた。
それからテキパキとキーボードを操作し、
「これ見といてほしいある」
と、私のすぐ手元のディスプレイにテキストを表示した。
メールにあった添付ファイルだ。
気になる肝心の香くんの本文だが、
『例の報告書っす。ヨンスは今疲労で死んでる的な。“暗号解読にまだ時間がかかるけど、残りのファイルができあがったらすぐ送りますだぜ”と遺言を残してるっす』
……とりあえず、お疲れ様とねぎらいたいと思う。
ファイルに視線を戻すと、興味をひく単語が並んでいた。
木星効果、潮汐摩擦、菊がボソッと呟いていた“トランシルバニア現象”、というのもある。
しかし、私の目が引きつけられたのは、
「自転の遅れ……?」
それ、だった。
「ヴェヴェッ!? なにそれ!」
うしろから興味津々にフェリちゃんが覗きこんでくる。
文を読もうとマウスを動かして――
「――っ!」
心臓が、跳ねた。