第2章 邂逅と眩暈と
言い終え、恐る恐る皆を見回してみた。
耀はびっくりして、目をぱちくりさせている。
香くんは、あからさまに怪しんだ表情で眉を寄せていた。
それとは対照的に、湾ちゃんはなぜか、わくわくと瞳を輝かせている。
おとぎ話でも聞かされた子どものようだ。
菊はなにかを思い出すがごとく、深く考えこんでいた。
そしてヨンスといえば――
「公子大変だったんだぜーお疲れなんだぜ!」
と、見事に沈黙を破ってくれた。
そして再びじゃれつかれる。
更に香くん顔には「そんなの信じてもらえると思うの?」と書いてあった。
もう、泣きたい。