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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第2章 邂逅と眩暈と





――……

帰宅したのは、おそらく18時過ぎごろ。

両親はおらず、家には私一人だった。

制服から着替えようとしたときだったろうか、地震が起きた。

体感では震度3くらい、ちょっと慌てるというレベル。

詳しい情報を得ようと、私はラジオをつけた。

始めに聞こえたのは、耳障りなノイズ。

それから、安心と信頼の国営放送に局番を合わせようとして、

「……え?」

机の端に置いたイヤホンが、声につられたように落ちたのをよく覚えている。

というのも、私は聞いたのだ。

その中に混じった、何者かの声を。

けれど、なにを言っているのかまったく聞き取れなかった。

人の声であることしか、わからなかった。

気になった私は音量を上げ耳を澄ました。

その瞬間だった、と思う。

キィィイインという、歯医者の使うドリルも裸足で逃げだすような、ひどい耳鳴りがしたのだ。

なにかと思う間もなく、頭をシェイクされた。

吐き気がしそうな酩酊感。

わけのわからないまま思わずしゃがみこんで――



「気づいたら、目の前に菊さんがいたんです」
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