第12章 幻想変動率XX%まで
指差す先はコンピューターだ。
急かされた耀が画面を覗きこむと、彼は目を見開いた。
しかし、その瞳はすぐに困惑のため細められる。
「……どういうことある」
「なにかあったのか?」
ギルがコンピューターに歩み寄った。
同時に耀が椅子にかけ、カタカタと高速タイピングし始める。
すぐにウィンドウが開いて、グラフを書き込むような表が6つ現れた。
「ちょっと見てるある」
エンターキーを耀が押す。
すると、点が左から右へぽつぽつ打たれていった。
点が表の右端にたどりつく。
今度は点同士が結ばれ、規則性の“き”の字も見えない、カクカクの折れ線グラフが現れた。
「うん……?」
なんの変哲もないグラフが、画面に6つ映っているようにしか見えない。
当然ながら6つそれぞれは、違う動きをしている。
「次の月のグラフを映すある」
耀がそう言うと、また同じように点が打たれ、新たな折れ線グラフが姿を現した。
「……なにが言いたい」
若干苛ついた声でルートが尋ねる。
耀は答えのかわりに、エンターキーを押した。