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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第12章 幻想変動率XX%まで





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

一息つくと、なぜかギルの私への対応の話になった。

「まあ、なかなか警戒をといてもらえなくて、それなりに怖かったです」

「兄貴……」

「俺は――経験上、女だからって警戒を緩めねぇんだよ」

エリザさんに聞いていただきたい。

「それに俺はなにも聞かされてなかったんだぜ? いきなり現れた女を怪しむな、って方がムチャだろ」

聞かされてなかったのか……

「しかしだな――」

「自分のつとめは果たしたつもりだぜ」

至って真面目な顔で言い切った、ギルの言い分はもっともだ。

彼の仕事は地下研究所の番人。

「ギルベルト・バイルシュミットさんは間違ってません。地下研究所の警備として当然のことをなさってました」

「だろ! ってなんで名前を……しかもフルネーム呼び――」

「私もかなり挙動不審でしたし、それにギルベルト・バイルシュミットさんに色々気を遣わせてしまいました……申し訳なく思っています。ありがとうございます」

「だからなんでフルネーム呼びなん――」

「でもそういうしっかりしたところ、さすがだと思いました」

自分でも驚くほど、素直に言葉が出てきた。

この短い間にたくさんの面倒をかけてしまった。

私をここに手引きしたルートのためにも、きちんとしておかなければ。

「お……おぉ」

フイッとそっぽを向くギルベルト・バイルシュミットさん。小学生か。

というか若干顔が赤くなっているような。

噛みそうなフルネームを連呼していると、

「せっ、老師老師!」

湾ちゃんが鋭く声をあげた。
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