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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第11章 ある報告書より


菊の表情をしげしげと眺めてみるが、そこにある感情は読み取れなかった。

「……」

「私が言いたいことはですね――」

つられたのか、菊もナプキンを一枚取り出してなにやら折り出す。

「木星の重力は地球より強い。ただ打ち消され、相殺されているだけだから、たいした影響もない」

「電離圏だな」

「はい。オゾン層といった層が、宇宙からの放射線や磁気変動をやわらげているからです。つまりですよ? その効果がうすれたら――」

「どういう意味だ?」

なぜだか、これから彼がとんでもないことを言う気がして、アーサーにそう口走らせる。

電離圏がこわれ、木星効果が高まる――ひいては、地震にたいしてより如実な影響がでる。

「……っ」

そんな話があってたまるか。

そんなものが、最近の地震の多発を解決していいわけがない。

脳内にできあがりつつあるものを、アーサーは首をふって追い出した。
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