第2章 どうやら捨てられたようです
ーーー夕日の涼しくなった風がニビの横を抜けていく。風は木々の葉をザワザワと揺らした。
長時間歩いたがニビの住む町は見えない。見えるのは山と山の間を太陽が沈んでいく美しい風景
家一軒見当たらない
長時間山を歩いたからだろう、足は傷や土でボロボロだった。服も顔も随分と汚れてしまった。
何故ここにいるのか…。
目を覚ませば、森の中だった。起きてすぐ考えたのは『早くおばさまのところに戻らないと。帰って夕食の準備をしないと…また怒鳴られてしまう』
だが、そんな考えは長時間歩いて変わった
それはニビは‘‘捨てられたんだ”