第7章 アフター
そうだ、ぼんやりしてる場合じゃない!
また後でって何!?
「京ちゃん!」と睨みつけたけれど、京ちゃんは気にする様子もない。
「一回ここで会ってみたかったんだよね。
澪奈の友達、全然俺だって気づいてなかったよ。それだけ変わったってことだよね。
それにイケメンだ~とかこそこそ言われてるのが聞こえてきちゃったよ。これならマジで優勝できるかも」
上機嫌な京ちゃんの顔を両手で挟んでこちらを向かせる。
「さすがにこんなとこでキスはまずいよ」
……やっぱりズレてる京ちゃん。
「今の何?先輩とどういう関係?
後でってなに?」
早口で捲し立てる。
すると京ちゃんが目を丸くした。
「もしかして……ヤキモチ?」
京ちゃんってほんとバカなんだから。
勉強はできるけど全然女心がわかってない。
私はぷいっと方向転換して、駅の方に歩き出す。
「もういいよ、京ちゃんのバカ」