第7章 アフター
「ごめん、澪奈。
彼女は家庭教師のバイトの子だよ。
それ以外の何でもない。本当だよ。
俺には本当に澪奈だけだよ」
京ちゃんが追いかけてきて腕を掴んだ。
増やした家庭教師って、先輩だったんだ。
でもだからって安心できるわけじゃない、いつも二人きりで勉強してるってことでしょ。
こんなにイケメンになっちゃった京ちゃんのこと、先輩が好きにならないとも限らない。
「……やだ。
そんなバイト辞めてよ」
わがままだってわかってるのに、言葉が止まらなかった。
京ちゃんは困った顔で、でもきっぱりと言った。
「もうすぐ受験なのに、今辞めるなんて無責任なことできない」
本当はわかってる。
京ちゃんのそういう真面目なとこが好きなんだって。
なのに、今日の私は素直になれない。
「辞めてくれないなら、別れる。
希望通りイケメンになれたんだから、私になんてもう用はないでしょ」