第6章 ヘアチェンジ
ガチャガチャ。
玄関の鍵の音がして、私は慌ててドアの前でスタンバイした。
扉が開く音と同時に頭を下げて「お帰りなさいませ、ご主人様」と斜め45°に首を傾げて笑顔になる。
バイトでお決まりのご挨拶。
だけど……顔を上げた時目に飛び込んできたのは京ちゃんじゃなかった。
今鍵開いたよね?
この人、誰……?
目の前にいるイケメンは、私を見て目を見開いたかと思うと固まった。
まさか、京ちゃんなの……?
「京ちゃん」
「澪奈」
「「何で?……」」
二人の声が重なった。
いつも伸ばし放題の髭はつるつるの顎になっていて、無造作に結んでいたボサボサの髪は前髪を流してツーブロックになってる。
それだけで、こんなにも格好よくなるものなの?