第5章 服装改革②
合鍵を持っている私は京ちゃんの部屋に向かったけれど、部屋はチェーンがかけられていて入れなかった。
ここまでするなんて、どうしよう、本当に京ちゃんに嫌われちゃった!
「京ちゃーん!
ごめん、なさぁーい……ぐすっ、突然で、避けれなくて、ぐすっ、ごめっ、うわーん」
部屋の前で大声で呼び掛けると、一旦ドアが閉まって、チェーンが外れる音がした。
開いたドアから出てきた京ちゃんの顔は無表情だ。
「近所迷惑だろ。
入れよ」
腕を引っ張っぱられて部屋に引きずり込まれ、ミュールが部屋に転がった。
気にする様子もなく、京ちゃんは私をベッドに放り投げる。
「何でキスされるようなことになんの?」
怒気を含んだ声に怯えながらも、昨日のことをしどろもどろで話す。
舌打ちした後、京ちゃんは私の頭を小突いた。
……痛くない。
やっぱり京ちゃんは優しいんだ。