第5章 服装改革②
「疲れたね」って入ったカフェで、京ちゃんが私のスマホを覗き込む。
「まだあんの?」
画面の写真に目を止めて、京ちゃんの表情が凍りついた。
昨日の、葉山くんの写真。
さっき京ちゃんが買った服を着てる。
「……昨日の買い物って、男と、まさか二人で?」
眉をひそめて尋ねる京ちゃんに、まずかったかな……、と思うけど、嘘をつくわけにもいかず「うん」と答える。
途端に京ちゃんの顔色が変わった。
「澪奈はこーいう奴が好きなんだ。
そりゃ俺みたいなオタクより、本物のイケメンの方がいいよな」
明らかに不機嫌。
私、まずいことしちゃった?
「そういうんじゃなくて、流行りの服に詳しいから、京ちゃんの服一緒に選んでもらっただけだよ」
「澪奈は何とも思ってなくても、相手はそうじゃないかもしれないだろ。
何もされなかった?」
強い口調で詰め寄られ、私は思わず自分の唇に触れる。
「キス、されたんだ。
……俺、帰る」